笑いの再建|顔面神経麻痺の手術

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Reconstuction of smile


表情筋再建術について

人が笑顔の表情を作る時、目の周りや口の周り額、頬などとても多くの筋肉を使っています。また、それらの筋肉は複数の異なる方向性をもっており、互いに協調させることで様々な笑う表情を作りだしています。顔面神経麻痺を発症して1年以上経過すると、神経再建をする手術では回復の見込みが極めて低いため、筋肉を移行または移植する手術を検討します。

薄層前鋸筋移植による表情筋機能の再建

正常な状態では、複数の異なる方向性をもつ表情筋が互いに協調しあって様々な表情を作りだしています。

われわれは、表情筋のように薄く、複数の筋肉が指を開いたように分離した独特な形態をもつ前鋸筋(肋骨と肩甲骨をつなぐ骨格筋)に注目し、麻痺の程度や顔の大きさ、笑い方に合わせて2~3本の前鋸筋の表層を採取して、異なるベクトルで筋肉を移植する薄層前鋸筋移植による表情筋再建術を開発しました。

口唇周囲の筋肉の図

この方法では、薄く指を開いたように分離した独特の形態を持つ前鋸筋と呼ばれる肋骨と肩甲骨をつなぐ約8~10本ある前鋸筋のうち、2~3本を半分の薄さで採取するため、移植した筋肉を複数移植してもボリューム過多により腫れぼったくなることもありませんし、切除した部分に関しても肩が上がりにくくなるなどの機能障害を残しません。

しかし、当初行っていた方法は、咬筋神経(咬むための咬筋を支配する力強い神経)という顔面神経ではない運動神経につなぐことで早期に移植筋を動かすことが可能となる一方、時には健側より強く動いてしまったり、咬む動作でしか笑いがつくれず健側(麻痺していない側)を動かしたときに移植筋が無意識に同時に動く(同期的な)自然な笑いが困難となるなどの欠点がありました。

そこで最近では、咬筋神経に加えて、健側の顔面神経を前鋸筋の運動神経につなぐことにより、咬む動作による過剰な動きを抑えつつ、左右同期的なより自然な笑いの再建を目指した方法(dual-innervation法)に改良して行っています。




表情筋再建術(dual innervation法)

dual-innevation法では、採取した2つの前鋸筋への指令を行う運動神経として咬むための筋肉(咬筋神経)だけでなく麻痺していない側の顔面神経を用いることにより、麻痺していない側と連動した自然な笑いの表情を創り出すことが可能となりました。
採取した筋肉は2~3方向に分割し、健側の表情に合わせて上口唇、口角、下口唇にそれぞれ異なるベクトルで移植固定します。従来の方法では1つの筋肉を内側のみ2つに分割して上口唇と口角に固定するため、口角がつりあがるような不自然な笑いとなっていましたが、本法では内側だけでなく外側も分割できることで筋肉の自由度が高まるため、口角が外側に引かれ、上口唇が斜め上に引きあがる、より自然な口唇の運動が再現可能となりました。
また、移植する筋肉が薄いため、複数の筋肉を移植してもボリューム過多になることが少なくなりました。

dual-innervation法

採取した2つの前鋸筋の神経力源(移植筋への指令を行う運動神経)として咬筋神経だけでなく健側顔面神経を用いることにより、健側と同期した自然な笑いの獲得が可能となりました。

実際の症例

左側陳旧性顔面神経麻痺
薄層前鋸筋移植後(dual innervation法)5年

術前の状態.口唇運動時の非対称が目立ちます。

術後約1年半の状態.安静時、口唇運動時ともに対称的かつ自然な口唇形態が得られています

動画

術後4年

作り笑い(随意的笑い)

作り笑い(随意的笑い)

自然な笑い(付随的笑い)

自然な笑い(不随意的笑い)

ライブサージャリーでの実績

当科に所属している医師 田中・佐久間は、慶応義塾大学再建チームとして2011年10月25日~31日に開催されたChang Gung・Mayo再建外科シンポジウムに参加しました。シンポジウムのPre-Congress Workshopとして3日間、林口(台湾 台北市郊外)のChang Gung Memorial 病院の顔面神経麻痺再建の国際Instructional Courseにおいて、ライブサージャリ―を行いました。

このライブサージャリーは、2日間に渡って計8名の供覧手術を行い、同時中継された別の会場で術式の討論を行うというものであり、慶應義塾大学再建チームとしては、顔面神経片側完全麻痺患者に対して、神経血管柄付き遊離薄層前鋸筋移植による表情筋再建術を行いました。

受診をご希望の方へ

当科では早期より顔面神経麻痺専門外来を開設し、積極的に治療を行っております。顔面神経麻痺による顔のゆがみ、異常な動きなどでお困りの患者様は、是非当科にご相談下さい。

Doctor 医師のご紹介

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Performance 研究・業績

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